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日々雑感:ずっと前から...

【カテゴリ】 日々雑感 2010年07月19日

 皮膚科に限らず、診察で最も大切なのは、患者さんに症状や経過を聞くことです。これを問診といいます。皮膚科では、目で見た所見(視診)が大きな比重を占めますが、蕁麻疹などでは来院されたときに発疹が消えてしまっていますから、やはり症状の出方や経過を聞き取ることが欠かせません。ただし、問診がうまくいくかどうかは医師・患者さんお互いの意思疎通にかかっています。
 というわけで、医者が困る患者さんのひとことが『ずっと前から...』なのです。
 『この水虫のカサカサはいつからあるのですか』
 『背中のしこりに、いつ気がつきましたか』
などの質問に、多くの方が『ずっと前から...』とおっしゃるのですが、実はこれではカルテに記載できません。記憶に自信がないとか、遠慮してそうおっしゃるのはわかりますが、せめて、『10年前には出ていたと思います』とか、『そういえば正月にはあったかも』とか、とにかくわかる範囲で、おおざっぱでいいので言っていただけると大変助かります。これは皮膚科に限らず、他の診療科でも同じです。
 当院で『ずっと前から...』とおっしゃった最長記録は、第二次世界大戦の従軍中に感染した水虫の男性でした。60年以上前!確かにずっと前だわ。
 最短記録は、とある中学生の1週間前。はー、中学生にとっては1週間前が『ずっと前』なんだと、年を感じた瞬間でした。
 病院・医院にかかる方、その症状はいつからあるのか、どういう経過なのか、自分で自分に質問してみてくださいね。


医院の本棚より:脳に効く『睡眠学』 ~24時間戦わないで!

【カテゴリ】 医院の本棚より 2010年06月04日

 脳に効く『睡眠学』角川SSC新書、宮崎総一郎著、800円(税込み)。医院に置く本は、新書の方が読みやすいようで、最近新書のご紹介が多いです。でもこの本は、世界一寝不足の日本の人々に是非手にとっていただきたい1冊です。
 睡眠の重要性は 経験的には知られていましたが、近年『睡眠学』という体系が構築されたことで 科学的・医学的な側面からもその重要性が立証されるようになったわけです。
睡眠不足は様々な健康上の問題をもたらします。肥満(メタボ)、子供の学習能力の低下、自律神経失調、危険な労働ではミスを誘発してしまい人命にかかわることすらあります。
 ふた昔?前に『24時間戦えますか』というCMがありましたが、冗談じゃない。人間は機械じゃないし、コンピューターだって冷却時間がなければ故障してしまいます。あまりに少なすぎて質の悪い睡眠は、本人のみならず日本経済の損失につながりかねません。
 本書では、いかに質のよい睡眠を確保するか、夜勤や出張など避けられない状況でも、改善と工夫の余地があることを示しています。
 実は、脳によい睡眠はお肌にもいいのです(この本には書いていないですが)。眠ってから脳の中で分泌される成長ホルモンは、大人でも大変重要で、いたんだ皮膚組織の回復になくてはならないもの。寝不足で成長ホルモンが分泌されなければ、肌の回復は期待できないことになります。アトピー性皮膚炎の方、ニキビの方など特に睡眠に関心を持っていただきたいです。
 眠る2時間前から部屋を暗くする、パソコンや携帯はいじらない、夜食は軽めに、寝酒に頼らないなどのアドバイスが満載の本です。カーテンは10cmあけて眠りましょう、朝日を感じて目覚めるために。
 ちなみに『人生寝たもの勝ち』という本も待合に置いてます。ポール マーティン著、ソニーマガジンズ。


日々雑感:カイセンチュウ子のプロフ

【カテゴリ】 日々雑感 2010年04月30日

 ハーイ、私は疥癬虫のカイセンチュウ子。ヒトの皮膚の上で生きているダニ(♀)でございます。今日は私たちの自己紹介をするけど、虫ギライな人、このコラムは読まない方がいいよ。
 私たちダニは、地球上に数億年前から生きている。人間の100倍も先輩だよ。ダニも今や様々に進化して、私たち疥癬虫は人間に住み着いて生き延びる道を選んだ種族。いわば、すき間産業ね。
 私たち疥癬虫は、ダニと言っても、血を吸うヤツらとはだいぶ違う。私の体長は0.4mm、人間の指紋ひとつ分の幅でかなり小さい。ちなみにオス(♂)はもっと小さくてメスの6割くらい。こんな私たちが巨大な人間に住み着くのは、人間が5000m級の山に登るくらいタイヘンなんだよ。
 私は、ヒトの皮膚のなるべく柔らかくて薄いところを探して、自分が住む穴を浅く掘ってもぐるんだ。だから、指のまたとか、外陰部とかが多いわけ。皮の厚いところや固いところは歯がたたないし。この疥癬トンネルという穴の中でおむこさんを迎え(疥癬は通い婚です;訳者コメント)、掘り進みながら毎日1個から2個ずつ卵を産む。私の寿命はせいぜい数週間、子孫を残すのに一生懸命です。卵は3日で孵化して、幼虫はトンネルを出て新天地を探しに行くの。
 人間の皮膚くらいあったかい環境が好きなんだけど、うっかり床にでも落ちたら、温度16℃以下ではもう動けなくなるのでヤバイ。何とか次の人間にしがみつかないと数日で死んじゃう。高温にも弱いので、50℃では死んじゃうけど、お風呂に入った位じゃ私は死なないし落とせないよ。ちなみにお風呂のお湯で人にうつる事はできません。だって泳げないもん。
 昔は、安宿とか宿直室、家族の雑魚寝なんかでで、シーツも換えずに次の人間が布団に入るとうつることができたらしいけど、今時は無理だね。私たちはものすごく小さくて無色なので人の目には見えなかったけど、今から100年以上前に顕微鏡でついに発見されてしまった。それまでは原因不明だった『疥癬』という皮膚病が、私たち疥癬虫の仕業だとバレてしまった。人間たちはあの手この手で私たちを絶滅させようとしているけど、こっちだって必死だもんね。
 私たちの大敵は、疥癬虫ハンター、皮膚科の医師たち。私たちが隠れているトンネルを探し出し、ピンセットで皮膚をむしり、虫の本体や卵なんかを見つけられたらもうアウト。殺虫系の外用や飲み薬で退治されてしまいます。
 それでも、体の小ささや旺盛な繁殖力を武器に、私たち疥癬虫一族は人間社会にしぶとく生き残るよ。皮膚科医とのかくれんぼは今日も続きます。


医院の本棚より:『美味しい食事の罠』 ~生き残るための食事とは

【カテゴリ】 医院の本棚より 2010年04月11日

 春になると、学生の患者さんたちは親元を離れて進学や就職へと自立していきます。初めての一人暮らし、慣れない土地で、期待と不安が入り混じった生活のスタートです。
 一方、大学デビューとともにアトピー性皮膚炎もデビュー、または再発してしまう方も多々見受けられます。やはり生活パターンに問題がありそうです。
 お風呂に入る余裕がなくシャワーとボディソープですませ、バイトや勉強や遊びで夜更かしして寝不足、お部屋の掃除がいまいちでハウスダストがたまったり、お洗濯は合成洗剤などなど、アトピー性皮膚炎を悪化させる要因には事欠きません。あと、とにかく食事がひどい人が多いです。コンビニに行けば簡単に手軽にお腹を満たせる便利な時代ですが、便利さの陰には必ずしっぺ返しがあるもの。
 今時の若い人は(...こういう言い方、年だよね)、朝はパンでも食べればまだましな方で、朝食抜きも当たり前、昼は揚げ物中心の〇〇弁当やラーメン、夕食は缶コーヒー、夜食はフライドチキンやハンバーガー、カップめん...すでに人類の食事ではない!ちなみにここで言う夕食とは、本来人間が夕食を口にすべき時間帯の、夕方6~7時ころをさします。中には、週に1回もご飯を食べず菓子パンですませた女子大生や、2ヶ月に一回も野菜を食べていないと豪語!する男子学生もいて、食生活の乱れは想像以上。
 日本の30代の女性に乳がんが急増していますが、食生活の問題が相当に大きいといわれます。人事ではありません。
 もと貧乏学生の体験で言わせていたでければ、一人暮らしの食の基本はとにかくお米。玄米をまとめて炊いておき、1回分ずつ小分けで冷凍します。味噌汁の具は豆腐やわかめが基本、おかずは納豆、魚の干物、肉の少ない野菜炒め、時間があれば煮物など。玄米はコストが安いのにビタミンBと食物繊維が豊富、豆製品でリジンを補えばお米のでんぷんが効率よく脳に回ります。あ、玄米はきちんとよく噛むのも忘れずに。それでも常に良い食事は無理で、時には学食のうどんや菓子パンでもいいですが、1日1食でもまともな食事を食べていれば病気もせず何とか生き延びられます。食生活は今を乗り切るためだけではありません。10年後の自分も作っているのです。 
 ちなみに最近、形成外科の先生とお話する機会がありました。形成手術では、その人の組織の良し悪しが、メスを入れるとはっきりわかるそうです。中年でも、食生活がいい人の組織は若く回復力があり(20代並みのことも)、一方カップめんばかりの若い学生は組織がひどいとその先生は嘆いていました。 

 というわけで、ご興味のある方、幕内秀夫先生の 『美味しい食事の罠』 宝島新書社 を手にとって見てください。お金をかけずに、食事のバランスと時間のパターンを変えるだけでも、最大の危険は回避できることがわかります。若い方へ、どうか自分の体を大切にしてくださいね。


医院の本棚より:『スーパー名医』が医療を壊す

【カテゴリ】 医院の本棚より 2010年04月06日

 村田幸生著、祥伝社新書、760円+税。
 タイトルにびっくりしますが、その意味するところは、『スーパー名医』への幻想や、『スーパー名医』フィクションを本気にして、現実を見ようとしない風潮が、医療崩壊の一因となっている、という現場からの指摘です。
 当院でも『ゴッドハンド輝』のコミックス全巻を待合室に置いていますが、あれはドラマとして感動するし、面白いです。少年に夢を与えるという、少年漫画の王道。医学的にも緻密に取材してあります。ただ一点、現実離れしているのは、主人公が関わった患者さんが一人も死なないこと。これだけは、現実ありえません。
 村田先生が上げる、名医ドラマのベタ設定が笑えました。このようなドラマや漫画では、主人公はイケメンで髪ふさふさの、若く正義感あふれる天才外科医。一匹狼が多く、24時間寝ないでも平気、風邪もひかない、成功率0.1%!?の手術を請け負い、終わった瞬間に『手術は成功です』と説明する...ちょっとおっ!麻酔科の先生や若いドクターがこれから必死に術後管理するんでしょうがっと思わず突っ込みたくなります。
 現在の医療は非常に高度で複雑化していますから、天才ひとりでは何もできません。チーム医療が主体です。でもそれじゃ視聴率あがんないんだろうなー。
 そういう名医幻想に洗脳されてしまうと、現実の人の死が受け入れがたいらしい。それが、現実の医療従事者と患者さんの食い違いに発展してしまっては、お互い悲劇です。
 医学部に入ると、真っ先に直面するのが、人は必ず死ぬという事実です。何しろ、解剖学の講義で、ご遺体と何ヶ月も対峙するわけです。生きていることがいかにはかなく、かつ奇跡に近いほど尊いか、という事実が文字通り骨身にしみます。人類史上、いまだかつて、死ななかった人間は一人もいないし、現在生きている我々でも、永遠の命を保証されている人間はゼロ。死は、その時期と形がどうであれ、必ず全ての人に訪れる運命です。
 なぜか、便利で快適になった現代社会はその事実から目をそむけようとする。ひとりひとが生死観を見つめないと、この崩壊は止まらないと、村田先生は現場から苦渋の問題提起をされています。
 日本でも、アメリカの医学ドラマ『ER』みたいなオトナノ番組ができないでしょうかね。
 


日々雑感:毛穴の脂は洗顔でゼッタイ落ちません

【カテゴリ】 日々雑感 2010年03月13日

 ニキビにお悩みの方や脂性が気になる方がよくはまる落とし穴、それは洗顔料のCMです。たっぷり脂の詰まった毛穴(と思われる)袋から、洗顔料によって脂が魔法のように外に出て行く、あのCMです。洗顔フォーム、クレンジング、石鹸なども似たようなCMや雑誌広告を出していますので、かなり多数の商品がこの手の宣伝をしていることがわかります。
 はっきり言います、あれ、ウソ。ありえない。毛穴の脂は洗顔でゼッタイ落ちません。
 たとえばあなたの車を洗車して、表面のワックスや汚れが落ちたとして、ガソリンやエンジンオイルまで出てくるでしょうか?
 医学的にご説明します。洗顔で落とせるのは、正確に言うと毛穴の外に出た皮膚表面の脂(皮脂)です。毛穴の出口の狭い部分(毛漏斗部と言います)より深部の皮脂や、それを作り出す皮脂腺(くだもののザクロのような構造をしています)までは、洗顔料は届きません。
 では洗顔が、ニキビや脂性肌のケアに無意味かというと、実はとても大切です。皮膚表面の皮脂が洗顔で失われると、その補充のため、毛孔内の皮脂が外に出されるしくみです。新しい皮脂を供給して、皮膚を保護するためです。結果として、サイクルが促進され、毛包内の皮脂の除去につながります。余分な皮脂が減れば、毛穴の中のアクネ菌の増殖も減りますので、正しい洗顔は必要なのです。
 ただし、1日に4回も5回も洗顔するのはNG。あまりに皮脂を奪いすぎると、かえって皮脂の増産につながるという論文もあります。1日1~2回、自分の肌質に応じて、丁寧な、こすらない泡洗顔をおすすめします。
 皮脂はあなたのお肌が作り出す天然の貴重品です。皮脂は皮膚表面の汗や常在菌と協力して、弱酸性の天然バリアを作ってくれているのです。必要で出ている分まで目の仇にしないでくださいね。


日々雑感:お笑い変換 電子カルテ編

【カテゴリ】 日々雑感 2010年02月17日

 当院の電子カルテは富士通のDr's NOTEです。早いもので導入6年になります。慣れるまでは大変でしたが(四十の手習い)、今では患者さんに『打つのが早い』とおほめいただきます。ただし、自己流の高速2本指。
 そんなこんなで、当院電子カルテのお笑い変換を集めてみました。

 患者さん → 寒邪さん   ...お風邪ですかあ~?
 診察  → 辛札   ...日本語か?
 内科に行くように  → 内科に胃供養に   ...それはマズイでしょう 
 以下   →  胃下
 宅老所  →  炊く老女  ...まじ吹き出しました
 室内犬  →  質な意見   ...どんな意見だ
 汗   →  (顔文字が出ます!)
 手巻き寿司で蕁麻疹が出た   → 手間傷氏で蕁麻疹が出た
 
 という、突っ込みどころ満載の電子カルテくんです。もっと集まったら第2弾もやってみましょうか。あんまりおかしな変換されても、仕事困るんですけど。

 電子カルテのいい点は、会計処理が早く、診察後のお待たせ時間が少ないこと。誰が見ても読めること(院長の手書き文字は解読不可能)。大量の紙カルテを置くスペースを省けることなど。欠点は、時たまシステムダウンで調整にお時間をいただいてしまうことです。全体としては、導入してよかったと思っています。


日々雑感:虎になったのは猫なのか?~メラノーマ(悪性黒色腫)について

【カテゴリ】 日々雑感 2010年01月10日

 今日は、ほくろと、メラノーマ(悪性黒色腫)のお話です。
 ほくろは、ごくありふれた皮膚の良性腫瘍です。皮膚のメラノサイト(色素細胞)から発生することから、医学用語には色素細胞母斑(ぼはん)と言います。母斑とはあざのことと思っていただいていいです。信州大学皮膚科で、日本人600人を調べたところ、2mm以上のほくろは一人平均4.2個ありました。特に20代~30代では一人平均6.7個でした(日本皮膚科学会誌115巻)。
 一方、メラノーマ(悪性黒色腫)は悪性腫瘍の中でも極めて悪性度の高い皮膚がんです。転移しやすく、抗がん剤など薬剤も効きにくいため、早期発見して手術で確実に取ってしまうのが最善です。メラノーマの初期は、時にほくろと間違われるため、俗称で『ほくろのがん』と言われることがあります。
 では、ほくろは癌になるのでしょうか。
 ひとつの例えですが、猫を1000匹飼っていて、その中の1匹が育って虎になったとします。では、虎になったのは猫でしょうか?違いますよね。始めから虎の子が1匹混ざっていたはずですね。
 つまり、ほくろは始めから終りまでほくろであり(一部特殊な例外はありますが)、メラノーマはどんなに小さくても、たとえ一見ほくろに似ていても始めから癌としての性質を持っている、という説が現在は支持されています。皮膚科医の役割は、ほくろとメラノーマをいかに初期段階で見極めるかということに尽きます。
 いかにも典型的な例では迷わないですが、中には鑑別が大変難しいケースもあります。そのような場合は関連病院に紹介して複数の医師の目でも診断していただきます。
 40歳を過ぎて突然出てきて、形のゆがんだほくろ(...のようなもの)は、気になれば是非お近くの皮膚科専門医にご相談ください。
 PS)平成21年3月に、信州大学皮膚科斎田教授が退官されました。メラノーマの研究で日本のみならず世界に認められた素晴らしい業績を残されました。多くの皮膚科医や患者さんたちと同じ気持ちで、斎田名誉教授への深い敬意と感謝を申し上げたく存じます。


医院の本棚より:神様のカルテ

【カテゴリ】 医院の本棚より 2009年10月19日

 神様のカルテ、夏川草介著、小学館、1260円。今年9月に初版が発行されたばかりの本です。
 最高に心ふるえる物語、とか、書店員さんの書評(涙があふれます、など)にほだされ?医院の待合室に置く前にまず自分が読んでしまいました。
 大きく3話から構成されており、第1話『満点の星』で私は何度も噴出して笑ってしまいました。ちょっと変わり者のドクター栗原と、周囲の人たちの会話がかけあい漫才みたいで、しかも『あるある、こういう事』というリアルな医療現場。さすが現役医師(しかも大阪のご出身)。さらりと明るく書いていらっしゃいますが、不眠不休で連続36時間勤務ふらふらの状況は実は現実多くの医師が直面している日常なのです。
 第2話『門出の桜』では、主人公の住むお化け屋敷のような下宿の住人たちの人生が描かれています。松本の町並みの描写も美しい。
 第3話『月下の雪』は、たぶん皆さんも涙腺が決壊してしまうことでしょう。読後感はさわやかで、スピリチュアルな充足感があります。
 勝手ながら、このお笑いといい、読後感といい、松本の風土といい、北杜夫の『どくとるマンボウ青春期』を思い出しました...古い?ただ『どくとる』と違って女性たちが登場し、皆生き生きと魅力的に描かれています。
 待合室でどうか、笑って泣いてください。


日々雑感:皮膚科の看板

【カテゴリ】 日々雑感 2009年10月18日

 皮膚の病気があったので、皮膚科と書いている医院(または病院)に行った、でも治らない...と言って、当院に来る方が時々いらっしゃいます。
 これは、当院に限らず日本のどこでも起こりえる話です。その問題の本体は《標榜科》。
 開院にあたって、たとえば内科や外科の先生が、ついでに皮膚科の看板も出すことができるのです。もちろんきちんと勉強している先生もいるでしょうが、中には医学生時代に皮膚科の講義を受けただけの方も...しかし患者さんにしてみれば、看板が出ているのだから当然専門だろうと考えますよね。この辺の、制度の甘さが慣例として続いているのです。
 現在、日本皮膚科学会では専門医制度を導入しております。きちんとした研修、臨床経験、論文などの実績を何年も積んだ上で、専門医試験に合格しなくてはなりません。本当はそういう条件をクリアして初めて『皮膚科の看板』を認めるようにすればいいと思うのですが、悲しいかな、皮膚科を『ついで』程度と見なす風潮が一部にありまして。
 たとえばうなぎを食べたいとして、『うなぎの○△』というお店と、『寿司・焼き鳥・うなぎの○△』というお店があったとしたら、どちらが本職のうなぎ屋さんか...言うまでもないと思いますが。
 という訳で、県外に転居する患者さんには、新しい皮膚科を探すには、タウンページや日本皮膚科学会のHPなので調べて皮膚科専門医を探してくださいと説明しています。


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