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日々雑感:カイセンチュウ子のプロフ

【カテゴリ】 日々雑感 2010年04月30日

 ハーイ、私は疥癬虫のカイセンチュウ子。ヒトの皮膚の上で生きているダニ(♀)でございます。今日は私たちの自己紹介をするけど、虫ギライな人、このコラムは読まない方がいいよ。
 私たちダニは、地球上に数億年前から生きている。人間の100倍も先輩だよ。ダニも今や様々に進化して、私たち疥癬虫は人間に住み着いて生き延びる道を選んだ種族。いわば、すき間産業ね。
 私たち疥癬虫は、ダニと言っても、血を吸うヤツらとはだいぶ違う。私の体長は0.4mm、人間の指紋ひとつ分の幅でかなり小さい。ちなみにオス(♂)はもっと小さくてメスの6割くらい。こんな私たちが巨大な人間に住み着くのは、人間が5000m級の山に登るくらいタイヘンなんだよ。
 私は、ヒトの皮膚のなるべく柔らかくて薄いところを探して、自分が住む穴を浅く掘ってもぐるんだ。だから、指のまたとか、外陰部とかが多いわけ。皮の厚いところや固いところは歯がたたないし。この疥癬トンネルという穴の中でおむこさんを迎え(疥癬は通い婚です;訳者コメント)、掘り進みながら毎日1個から2個ずつ卵を産む。私の寿命はせいぜい数週間、子孫を残すのに一生懸命です。卵は3日で孵化して、幼虫はトンネルを出て新天地を探しに行くの。
 人間の皮膚くらいあったかい環境が好きなんだけど、うっかり床にでも落ちたら、温度16℃以下ではもう動けなくなるのでヤバイ。何とか次の人間にしがみつかないと数日で死んじゃう。高温にも弱いので、50℃では死んじゃうけど、お風呂に入った位じゃ私は死なないし落とせないよ。ちなみにお風呂のお湯で人にうつる事はできません。だって泳げないもん。
 昔は、安宿とか宿直室、家族の雑魚寝なんかでで、シーツも換えずに次の人間が布団に入るとうつることができたらしいけど、今時は無理だね。私たちはものすごく小さくて無色なので人の目には見えなかったけど、今から100年以上前に顕微鏡でついに発見されてしまった。それまでは原因不明だった『疥癬』という皮膚病が、私たち疥癬虫の仕業だとバレてしまった。人間たちはあの手この手で私たちを絶滅させようとしているけど、こっちだって必死だもんね。
 私たちの大敵は、疥癬虫ハンター、皮膚科の医師たち。私たちが隠れているトンネルを探し出し、ピンセットで皮膚をむしり、虫の本体や卵なんかを見つけられたらもうアウト。殺虫系の外用や飲み薬で退治されてしまいます。
 それでも、体の小ささや旺盛な繁殖力を武器に、私たち疥癬虫一族は人間社会にしぶとく生き残るよ。皮膚科医とのかくれんぼは今日も続きます。

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