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日々雑感:ずっと前から...

【カテゴリ】 日々雑感 2010年07月19日

 皮膚科に限らず、診察で最も大切なのは、患者さんに症状や経過を聞くことです。これを問診といいます。皮膚科では、目で見た所見(視診)が大きな比重を占めますが、蕁麻疹などでは来院されたときに発疹が消えてしまっていますから、やはり症状の出方や経過を聞き取ることが欠かせません。ただし、問診がうまくいくかどうかは医師・患者さんお互いの意思疎通にかかっています。
 というわけで、医者が困る患者さんのひとことが『ずっと前から...』なのです。
 『この水虫のカサカサはいつからあるのですか』
 『背中のしこりに、いつ気がつきましたか』
などの質問に、多くの方が『ずっと前から...』とおっしゃるのですが、実はこれではカルテに記載できません。記憶に自信がないとか、遠慮してそうおっしゃるのはわかりますが、せめて、『10年前には出ていたと思います』とか、『そういえば正月にはあったかも』とか、とにかくわかる範囲で、おおざっぱでいいので言っていただけると大変助かります。これは皮膚科に限らず、他の診療科でも同じです。
 当院で『ずっと前から...』とおっしゃった最長記録は、第二次世界大戦の従軍中に感染した水虫の男性でした。60年以上前!確かにずっと前だわ。
 最短記録は、とある中学生の1週間前。はー、中学生にとっては1週間前が『ずっと前』なんだと、年を感じた瞬間でした。
 病院・医院にかかる方、その症状はいつからあるのか、どういう経過なのか、自分で自分に質問してみてくださいね。

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